婚活特集レビュー:「36歳女子は「28歳バツイチ子持ち」にすら負ける」にゾッとする『InRed』3月号
2016年2月5日(金)発売の女性ファッション誌『InRed』3月号(宝島社)では、「30代婚活女子のゾッとする市場価値」と題して婚活が特集されておりました。
『InRed』といえば「30代のよくばり女子のためのファッション誌」なわけですが、どんな特集だったのでしょうか。さっそくレビューしてみましょう。
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「28歳バツイチ子持ち」に負ける36歳女子
タイトルにもあるように、今回の婚活特集は30代向け。それゆえ内容もかなり辛口です。
ページを広げるといきなり飛び込んでくるのは
自分を過大評価するな!
相手を過小評価しすぎ!
白馬の王子様はいません!
という森川友義・早稲田大学国際教養学部教授の言葉。いきなり冷や水を浴びせられます。続いては、『普通のダンナがなぜ見つからない?』の西口敦氏によるQ&A、楽天オーネットの婚活アドバイザーによる、婚活指南と続きます。
ここでびっくりするのが、「現状では決して超えられない35歳の壁」と題して、
28歳子持ちバツイチと36歳未婚ではバツイチの勝ち
29歳平凡顔と38歳超美人では平凡顔の勝ち
なんていうエグい内容を実況中継していること。
全体的にこの特集、かなり辛口かつマーケティング視点な現状分析が特徴です。
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「男に媚びろ」「理想を下げろ」な解決策
では、婚活において30代女子はどうすれば良いのでしょうか。
特集内で提唱されているのが、「男に好かれるような人になれ」「理想を下げろ」という2点です。
西口敦氏によれば、「女磨きよりも男性の好きな女性になりましょう!」ということで、多少ベタでも癒し系で男性が求める女性を演じた方が上手くいくとのこと。
また、今回は婚活成功者4人が登場しましたが4人中3人が「(理想の)間口を広げた」「理想を下げた」「タイプを変えた」などと発言。30代の婚活の厳しさがうかがい知れる内容になっていました。
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「それができれば苦労しないよ!」と心が叫びたがってるんだ
ですが、ここで問題になるのがそもそも30代にもなって「理想を下げる」「男に好かれる女になる」なんてことが可能なのでしょうか。
「理想を下げる」というのはそれこそありとあらゆる婚活論者が言っていますが、それをするには相当の試行錯誤が必要であるのは言うまでもありません。
婚活、というシステム自体に「自分を変える」「人生の逆転打を打つ」要素がある以上、それを捨てろというのは並大抵の努力では不可能。
婚活市場で自分の市場価値のなさを痛感しまくらないと無理なんです。
で、それをしてでも結婚したい、という思いが果たしてあるのか疑問です。
同じように、例えばですが、キラキラ女子は最初から「男に好かれる女になる」ために努力して男をゲットすべく行動を重ねているわけですが、『InRed』を読む独身女性のようなある意味、普通の女性がそんな事できるんでしょうか。
そう、「それができれば苦労しないよ!」という事なんです。
『InRed』という雑誌をみて思うのは、子育てをしっかりやりたいのか、仕事をバリバリやりたいのか、どっちなんじゃい!という、よく言えば普通、悪く言えばどっちつかずの考え方です。そして、そういう「普通」の人でかつ婚活市場への参加に乗り遅れた人ほど婚活市場では苦戦してしまう。
結局、全てを解決する魔法のような方法は存在しないのだなという事を改めて確認した次第です。