理論編1:300人から1人を選ぶ―そもそも、「婚活」とはなにか―
理論編では、婚活についての理論的アプローチを体系的にまとめていきたいと思います。理論的アプローチと書くと難しいもののように思う方もいらっしゃるかもしれませんが、内容自体は簡単なものです。
私は、婚活のフリーライターとして活動する前は、自らプレイヤーとして婚活をしていました。そんな中で今の妻を見つけて結婚したわけですが、常々気になっていたことがあります。
それは、婚活の本を読んでも全然参考にならない!ということです。
いや、偉いジャーナリストの人や社会学者の人が書かれた本とか、確かに少子化も大変だし、女性がキャリアプランを築いていくのは大変だっていうのはわかります。
「でも、それって俺には関係なくね?」
と常々思っていました。
だって、俺はお見合いパーティで何を話したらいいのか、ネット婚活はexciteかYAHOO!か、結婚相談所に登録するべきかなのに。
アレを読んで婚活に成功したって人がいたらお目にかかりたいです。
そのぐらい、実践が弱い。
この連載では、そうした情報を発信していくつもりです。ところで、婚活とは一体何をする「活動」のことなんでしょうか。
今回はそんなお話です。
-
「自然な出会い」と「婚活」
婚活とは「結婚活動」の略だということはご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
この名前は「就職活動」をもじって付けられたことは言うまでもありませんが、実は「結婚活動」というのは定義がしっかりと決まっているわけではありません。
「結婚活動」とは「結婚に対して積極的に行動をすること」全般を指す言葉です。
つまり、婚活パーティや結婚相談所に行くことだけではなく、合コンをしたり、同僚に結婚相手の紹介を頼んだり、お見合いをしたり…といったように結婚について何かやっていさえすれば「婚活している」と言う事ができるのです。
ただ、これではあまりに漠然としているため、当サイトでは結婚活動を以下の通り2つの方法に分類したいと思います。
まず一つは「自然な出会い」。これは例えば、社内恋愛、学生結婚などのような恋愛を伴った形での出会いを指します。
もう一つは「(狭義の)婚活」で、婚活パーティや結婚相談所を利用することをはじめとして、お見合いや合コンやナンパなども含まれます。当サイトでは、この狭義の婚活の事をカギカッコつきで「婚活」と呼ぶことにしましょう。
ここで注意してほしいのが、婚活という言葉
ができるずっと前からすでに婚活的なサービスは成立していたという事です。
-
「婚活」の特徴
では、「自然な出会い」と「婚活」これを分類すると以下のような感じになります。
縦軸が実際の時間軸で、横軸が「自然な出会い」―「婚活」という事になります。
では、「自然な出会い」と「婚活」はどうちがうのでしょうか。
「婚活」が「伝統的手法」と明確に違う点が2つあります。
まず1つ目は婚活は普段全く接点のない人と出会えるという事です。
自分の例で説明します。
私は妻と婚活サイトで知り合いましたが、共通点は東海地方の某県出身という事だけ。
その他、育った環境も違えば、勤めている会社も、友達も全く違います。
考えてみれば、これってものすごくヘンなことです。
「伝統的手法」においては普通、学校の同級生や会社の同僚、友達の友達といった具合に何らかの共通点があるもの。
でもそれは、そうでもしないとお相手を信用できないからです。
「婚活」においてはこうした共通点が全くない状態で出会う可能性がある点は大きな違いです。
もう一つは、「伝統的手法」と異なり、ものすごく多くの中から付き合う人を決められる点です。
私の場合だと、
◆「サイトで1回でもメールしたり、お見合いパーティで会った人」が300人ぐらい
◆「メールのやりとりが1回でも続いたり、カップリングした人」が20人ぐらい
◆「実際に付き合った人」が2人
◆「結婚した人」が1人
といった感じです。
会社や学校で300人の異性と知り合う事を考えれば、これがいかに多いかわかるでしょう。
道を歩いている異性に「この人と付き合ったらどうしよう」とか思う人はたいがいな妄想癖の持ち主ですが、「婚活」であれば、それが実現できるのです。
では、「婚活市場」とはどんな構造をとっているのでしょうか。
次回はそのことについて考えてみたいと思います。
- 作者: 山田昌弘,白河桃子
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2008/02/29
- メディア: 新書
- 購入: 11人 クリック: 231回
- この商品を含むブログ (141件) を見る